
一時期、話題になった北村慶さんの"貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント"はアセットロケーションの重要性を説く名著で、私、こぐまけんぜんは5回ほど、読んでます。
あくせくとデイトレで神経をすり減らすのではなく、世界経済の成長にかけてゆったりと構えて、入り口で決めたアセットアロケーションを基本的に守りながら、中長期の資産運用をする重要性を説いています。
アセットアロケーションの例として、有名な米国カルパース、他、ABP(オランダ年金)、ブリティッシュコム、オンタリオ州教職員などの年金基金がそれぞれ国内株式30-40%,外国株式20-30%,不動産(REITを含む)10-15%,債券4-40%のアセットアロケーションであることを指摘していて、日本の年金は国内債券(国債ですね(笑)68%,国内株式12%,外国株式8%,外国債券7%,短期資産5%の比率を守って運用してきた(比率を変えなかったことはお役所体質のある意味、貢献とも)ことで、成果を上げてきたようです。
なお、最近のニュースによると、日本の年金運用のアセットアロケーションの見直しがされる見込みで、期待リターン3.34%→3.42%をめざし、国債割合を67%→60%,国内株式を11%→12%、外国株式を9%→12%、外国債券を8%→11%に変更するようです。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95605P20130607
さて、これらをふまえ、個人の中長期の資産運用のアセットアロケーションを考える上で、私は下記ポイントが重要と考えています。
①国内外の年金ともに国内外の株式、債券の中心にアロケーションし、分散効果を高めるために不動産などを追加 ②日本の年金は国債割合を減らすとはいえ、他国の4-40%というレンジから比べればまだまだウエイトが高く、期待リターンの3.42%というのも中長期投資で6-7%を狙うべきリターンとのかい離大 ③そもそも日本の年金でこれだけ、国債のウエイトが高く、銀行預金でも国債への投資がされている以上、個人の資産運用に国債を入れる必要はない →日本の年金よりも高いリターンを確保している外国年金のアセットアロケーションの国内株式30-40%,外国株式20-30%,不動産(REITを含む)10-15%を参考すべき(③に基づき、国債を除くと、各ウエイトは上昇)
ご参考まで、窓口相談で聞いた某大手証券会社のラップ口座のアセットアロケーションは ①年率リターン(▲6.2%~17.1%)のやや積極運用コースで <基本スタイル> 日本株式21.2%,外国株式29.4%,日本債券10.9%,外国債券15.8%,日本REIT7.0%,外国REIT5.0%,コモディティ5.2%, ヘッジファンド5.5% *これを日本重視(日本株式31.5%,日本債券15.2%)、海外重視(日本株式0,外国株式40.2%)、日本債券なし(日本株式20.5%,外国株式30.9%),ノンリートなどにアレンジ可能。
②よりハイリスク・ハイリターンの積極運用コースは <基本スタイル> 日本株式23.8%,外国株式38.8%,日本債券6.5%,外国債券6.4%,日本REIT7.0%,外国REIT5.0%,コモディティ7.5%,ヘッジファンド5.0%。 *この日本重視アレンジが日本株式37.0%,外国株式27.5%,海外重視が日本株式0,海外株式48.0%
なんとなく、レンジが見てて来ますね。
なお、アセットアロケーション決定後の、リバランスに関しては、次回で考察したいと思いますが、上記の記事では日本の年金基金は、相場変動に伴う「かい離」の許容幅そのものは変更せず、国内債券8%、国内株式6%、外国債券5%、外国株式5%とした。短期資産の比率は5%に据え置いたとあり、北村氏も決めたアロケーションからの小さなかい離にめくじらを立てず、年金基金のかい離率を参考に必要に応じてのリバランスを勧めています。
スポンサーサイト
|